第3章 有涯《ポートガス・D・エース》
「くっ…いてぇ…」
戻ってくるなりエースは顔を歪ませながらもリンに話しかける。
最低限の返事しかないが、エースは気にしてないのかどんどん話を進めていく。
「で、ネェちゃん。俺になんか渡すのあんだろ?」
『え?…あぁ。アンタ鼻いいね。これガープさんから』
美味しそうなご飯にエースはうっひょー!と目を輝かやかせる。
しかし、たちまち不安そうな顔をしだした。
「おれ食えねぇや。手錠されてっから」
『…たしかに、』
するとエースは何を思ったのか急にニヤニヤとしだす。
何かを感じ取ったリンは、『いやだ。』と言うと、エースから「まだ何も言ってねぇよ」とつっこまれる。
「せっかくクソじじぃが用意してくれたんだ。頼む食べさせてくれよ」
『他の人に見られたらどうすんの』
「大丈夫だって。ここにはネェちゃんの信頼のおかげで防犯カメラもないし他の奴らも来ねぇってクソじじぃから教わったから。
それにジンベエも今いねぇし。」
あのクソ上司なんでことを言いやがるんだ。と心の中でいいながら仕方なしに食べ物をエースの口に運ぶ。
「おっ、海軍のコーヒーは苦ぇけど やっぱり飯は確実だな!!」
『あんたなんでそんなこと知ってんの』
「ちょっと野暮用でな!」
『そういえば結構前に海賊の侵入者がいるって大騒ぎしてたけど…あんただったのね…』
「おかげで嬢ちゃんのミルクは繁盛したけどな!」
つくづくエースの行動力には驚かされる。
血は繋がってないもののガープにそっくりだと思い、リンは少し微笑んだ。