第2章 君とタバコ。《スモーカー》
『スモーカーさんってなんか、大人のお兄さんって感じします』
「俺はお前と違って大人だ」
『私も立派な大人ですけど』
「どうだか」
お互い背を向けたまま話す。その時間がリンはたまらなく嬉しかった。しかし、また緊張で寝れない。
迷惑だと分かっていてもどうしてもスモーカーに話しかけてしまう。
『スモーカーさんって本当に大人っぽくて、意外と優しくて、部下思いですよね。そういうところ尊敬します』
「…」
『私はまだまだスモーカーさんには追いつきませんけど、いつか絶対スモーカーさんに成長したなって言われるように努力しますね』
「わかったから寝ろ」
『やだ寝ないでください。私寝れません』
「しるか」
普段は絶対言わないようなことをスラスラと言うリンにスモーカーも少し驚いていた。
しかし酒が抜けてないのは分かっていたので、適当にあしらっていた。
しかしその直後リンの発言によって、スモーカーの理性は綺麗に崩れる。