第13章 恋焦がれ《サボ×エース》
『あ、えっと…』
「なに?用事でもあんの?」
『いや、別にないけど…残業が…』
残業なんて嘘だけど、サボは少し鋭い目で私を見て「ふーん」とだけ返した。
嫌な予感がして冷や汗が流れる。
「そんなにエースってやつがいいんだ」
『え?』
「明日またエースって奴と、飯いくんだろ?」
『なんで知って…』
「お前のことで知らないことなんてねえよ」
やってしまった。
サボは当たり前に怒っていて、お会計を済ませて外に出ると腕を引っ張られて人通りが少ない路地裏に連れていかれた。