第1章 恋は盲目とはよく言ったものだ。《ロロノア・ゾロ》
『え、また私船番?もう?この前したばっかりじゃん』
「んあ?そうだっけ?まぁ俺らは人数がすくねぇんだ。お前したのだって先週くれぇだろ。」
その日の夜急にルフィから船番と伝えられリンは思わず大声をあげる。
ルフィは眠いのか目を擦りながら、よろしく。とだけ言い男子部屋へ入ってしまった。
大きいため息をつきながら、リンはお気に入りのブランケットと本を持って座る。
『…はぁ』
結局今日もゾロはリンに話しかけてこなかった。
見事に避けられている。それを感じているのはリンだけでなく、みんながそう思っている。
そもそもロロノア・ゾロの勝手でふたりの関係は始まり、関係を切ろうと言い出したのはリンだが結局ロロノア・ゾロの気分で関係を切られた。
ゾロと行為をする時は嫌ではなかった。むしろ今までしてきた中で一番上手で優しいとも感じていた。
『…変なの。』
急に冷たくなったゾロ。何故かモヤモヤが晴れないリン。
『まるで…好きみたいじゃん…バカ』
なんて小さい声で呟くとリンの隣にドカンと見覚えのあるシルエットが座った。
「奇遇だな。俺もお前と同じこと考えてる。」