第10章 へたれ男《コビー》
「あ、あ、あなたが好きです!!!」
『と、唐突だね…』
「ゾロさんが今しかないと目で訴えてくれたので!」
なんだそれ…。思わず笑ってしまった。
コビーくんはなぜ笑われたのか分からず困っていたが、私はツボに入ったらしく涙が出るまで笑ってしまった。
「だ、大丈夫ですか…?」
『あははっ!気にしないで…ふふっ…面白くて…』
「そんな…僕頑張って…」
『ありがとう!!』
お礼を言うと何故かコビーくんは暗い顔をして俯いてしまった。
恐らく振られると思ったのだろう。それが余計に面白くて笑ってしまう。
『なにへこんでんのよ!お礼言っただけじゃない!』
「だってお礼言ったってことは…」
『ふふっ!お礼言われたらもう断られるの?』
「え?」
コビーくんは言葉の意味を理解したのかとても嬉しそうな顔をしだした。