第10章 へたれ男《コビー》
その日を境にコビーくんは何故か私に会えば挨拶や軽い会話だけじゃなく、何かと一緒にいれるように適当な予定を作っていた。
例えば今だってそう。
「おはようございます!」
『…おはよ』
「あ、これ食堂のおばちゃんに貰ったのでリンさんにあげます」
『…なにこれ』
『パンの耳のおかきです!』
あぁ、美味しいやつね…と言えばコビーくんは空いている席を指さして口を開く。
「良かったら一緒に食べませんか」
『…あぁ、うん。』
それから2人で軽く朝食をとる。これが最近の日常になってきている。