第10章 へたれ男《コビー》
「僕は1度もそういうふうに見たことないよ」
コビーくんがそういえば男どもはげらげらと笑ってバカにした。
「そんなはずねぇだろ」とか「お前らよく飲みに行くじゃねぇかヤッてんだろ!?」などとても下品な回答をする。
するとコビーくんは照れる動作もする訳でもなくただただ真顔で
「大切な先輩だから、そういう考えはしない」
この一言が何故か心に刺さった。
女として見られてなくて刺さったわけじゃない。言葉に出来ないけど、何故か大切にされているような気がして思わずキュンとしてしまった。
「んだよそれ。この童貞が!!」
「どっ…」
あ、やっぱり童貞なんだ。と思ったもののドクドクと心臓の音がうるさい。するとヘルメッポくんが「あ、」と私の存在に気づき2人以外の男達の顔が一気に青ざめた。