第1章 恋は盲目とはよく言ったものだ。《ロロノア・ゾロ》
リンがウトウトしているとゾロはリンの肩を自分の方へグッと寄せ膝枕のようにして、近くにあったブランケットをかける。
「腰…いてぇだろ」
『ん…あり…がとう…』
そろそろ眠気の限界を迎えていたリンは虚ろな目でゾロの方を見てお礼を言う。
「お前…」
ゾロは何か言いたそうだったが、リンの記憶はそこで途切れふかいねむりについてしまった。
━━━━━━━━━━━━━━━
『んぅ…今何時…』
目が覚めるとまだ空は薄暗く、2時間ほど眠っていたリンは起き上がりゾロの方を見た。
『…寝てるじゃん』
当の本人は座ったままウトウトとしていた。
とりあえず静かに起き上がって、敵戦や海軍が居ないか確認する。
すっかり目が覚めたリンは、隣で寝ているゾロの頬をつんつんとした。
『硬い…』
「…寝込みを襲うとは、お前も随分と物好きだな」
『…え?起きてたの?』
「あ?俺は寝てねぇよ」
嘘をついてまで自分は寝てないと言い張るゾロに思わずリンは笑ってしまった。
するとゾロは何を思ったのか、リンの胸ぐらを引っ張り自分の方へ引き寄せた。
『うお、何すんの』
「ちけぇな。」
『そりゃゾロがこんな事するから近いに決まってんじゃん。』
少し間があったあとゾロは「そうか。」と呟きもっと顔を近づけた。