第9章 愛して《ドンキホーテ・ドフラミンゴ》
ローがリンの隣に座ったのはいいものの、ふたりの間に会話はない。別に気まずいという感情はなく、お互い何も気にしていない感じである。
「お前は」
『仮にも私歳上なんですけど、リンお姉様と呼んでくれませんかね』
「アイツのどこがいいんだ」
『…アイツって?』
ローはどこまで知っているのだろうか。
リンは何か探られている感じがしていい気がしなかった。
ローはリンを見ずにただ真っ直ぐを見つめる。時に子どもらしく地面につかない足をブラブラさせながら。
「そんなの言わなくても分かるだろ」
『分からないから聞いてるのよ。』
「お前の方がガキンチョだな。嘘が下手くそだ」
ローの言葉にリンは、乾いた笑いを零した。
10歳も年の離れた子どもに何故こんなことを言われるのか。
リンがわかりやすいのか、それともローが鋭いだけなのか
答えは恐らく後者だ。