第9章 愛して《ドンキホーテ・ドフラミンゴ》
数時間後、コラソンと別れてどこか適当にうろうろする。
特に理由はないが今日は寝る気になれない。
歩いては立ち止まって歩いては…の繰り返しだ。
まだ朝焼けには少し時間がある。
「あ…」
『…どーも』
この時間帯に人に会うことは無いが、ヴァイオレットに出会う。
微かに感じるドフラミンゴの匂いにリンは分かりやすく顔を顰める。
仕事とリンに嘘までついている理由。
そんなのリンが痛いほど分かっていた。
『随分と遅い帰りなんですね』
「まぁ、そうね。」
ドロドロと黒い何かが心の中でフツフツと沸騰していく。
ヴァイオレットに会っても仕方がないことは分かっている。
しかしどうしようも出来ないのだ。リンの一方的な恋。
『ドフィは?』
「…さぁ」
このふたりが身体的な関係を持っているのはリンも知っていた。