第9章 愛して《ドンキホーテ・ドフラミンゴ》
空になったたばこケースを外に投げつける。
小さく落ちた音がする。
それと同時にプルプルプルとでんでん虫が鳴り、それがドフラミンゴからだと知ると急いで電話を取る。
『はい』
「まだ起きてたのか」
『まぁ、はい。』
「…今誰といる」
『コラソンです』
ドフラミンゴはそれを聞くと少し黙って、リンに言い放った。
「…それなら問題ない。今から仕事だから俺の部屋と周辺をうろつくな。いいな」
『…はい』
それだけ言うとツーツーと電話が切られた。
ドフラミンゴが言う''仕事''はたかが知れていた。1人でする仕事なんてこのファミリーにはない。
少し強引にでんでん虫を切れば、コラソンがびっくりしてリンを見る。
リンはイライラしながら、吸っている途中だったタバコを再び口付ける。
『ったく、女を抱く仕事があるかっつーの』