第8章 とある女が愛されるまで《トラファルガー・ロー》
ローは少し黙ったあと気を紛らわすようにリンの頭をぐしゃぐしゃとした。
『うわっ、ちょなに…』
「どっちでもいいならここに残ればいい。別に無理して娼婦に戻る必要は無い。」
ローがそう言うとリンは、また面白くなさそうにローを見つめた。
最近リンはよくローのまえで面白くなさそうに返事をすることが多い。
『ローさんって男なの?』
ふとリンが、ローに疑問をなげつけた。
ローは少し怪訝そうに「あ?」とだけ言った。
『だって、ローさん全くそういう目で見てないじゃん。
いくら検査としても ちょっとくらい意識してもいいんじゃないの』
リンは止まらなくなったのかどんどん不満をこぼし出す。
『私こう見えても1番人気だったんだよ?そこら辺の女より顔はいいって思ってるし、テクニックだってある。なのにローさんはっ…きゃっ』
リンが最後まで言い終わる前にローに担がれ乱暴にベッドに投げ捨てられる。
起き上がろうとすれば、リンの上に跨り抵抗しようとする腕を頭の上に固定させた。