第8章 とある女が愛されるまで《トラファルガー・ロー》
数分悩んだ末、リンはなにか名案を出したようにローに言った。
『ローさんが決めてよ!』
「は?」
『私別にどっちでもいいから』
無責任だ。とでも言いたげな顔でリンを見つめる。
クルーのみんなはリンのことを好いているし、ローも例外ではない。
ココ最近ずっと一緒にいたのだ少しくらい感情くらい湧く。
「…はぁ、お前が残りたいのなら残ればいい」
『…私島に降りたらもう一度娼婦するよ』
「懲りねぇな」
興味無さげに言ったつもりだが、ローは内心焦っていた。
もう一度性病が発症してしまっては元も子もない。
…いや、これは建前である。
本音は誰にもリンのそういう姿を見せたくない。
検査をしていて、リンの弱い所も軽くだが分かっている。
液を検出する際に器具を中に入れる際に少し声を出したリンの大きさによって軽く予想は出来た。