第8章 とある女が愛されるまで《トラファルガー・ロー》
「いくらだ」
『え?』
「借金はいくらだ」
ローがそうきくと、リンは金額を答える。
そしてその仕事の歴を聞く。
女は一応1番人気だったらしく、常に男を相手にしていたらしい。
しかし、それを考えると どれだけ低く見積っても計算が合わない。
確実に借金は返せているのだ。
リンに残りの借金を聞けば分からないという。
「お前それ騙されてねぇか」
『…』
「お前も分かってるんだろう」
リンはこれ以上何も言わず、再び外へ出ようとすれば
ベポが止めて なんとか船に残る様に言う。
するとローが口を開いた。
「オレがその借金肩代わりしてやる」
『…』
「お前の店に連れていけ」
ローがそう言うとリンは仕方なさそうに、ローを連れて外に出た。