第8章 とある女が愛されるまで《トラファルガー・ロー》
女は今の状況と倒れた時の状況を聞き、それと同時に助けてくれたでかいクマと男の名前も聞いた。
ついでに女の名前も教えた。リンと言う名前らしい。
リンはお礼をして外に出ようとすると、ローにとめられた。
「俺たちの話を聞いていたのか?」
『あ、はい聞いてました。けど私海賊になるつもりはないのでおります』
「悪化するぞ」
『全然大丈夫です。もう仕方の無いことなんで』
何故か人生を諦めているように見えたローはリンが今まで何をしていたのか聞くと彼女は『娼婦です』と言った。
そこでローは察しがついたのか、これ以上何も言わなかった。
「え、じゃあリンは一緒に来ないの?」
『…はい』
リンがそう答えると、ローはやっと口を開いた。
「なぜ娼婦をしている」
『借金返済のためです』
顔色ひとつ変えずに淡々と話すリンにローは軽く嫌悪感を覚えた。