第8章 とある女が愛されるまで《トラファルガー・ロー》
数時間後、女が目を覚ませば そこは全く知らない場所だった。
目をこすって起き上がれば隣にデカいクマが座っている。
クマはウトウトとしていて、女が起きたことに気がついてない。
起こさないように そーっと ベッドからおりようとする。
「起きたのか」
『っ…びっくりした…』
帽子を深く被った男が、急に話しかけてきて女は思わず肩を上下にするほどびっくりしてしまった。
その声にデカいクマも起き上がり、嬉しそうな顔で女を抱きしめようとした。
「起きたんだね!良かったー!」
『え、喋った!?』
「喋るクマですんません」
『打たれ弱っ!』
男はその光景を見てため息をついた。
日常茶飯事なのか、慣れた感じでクマに何かをいいきかせていた。