第8章 とある女が愛されるまで《トラファルガー・ロー》
「…」
ある程度検査をし終わったのか、女をベッドへ寝かせてベポに世話を任せる。
色々書いた資料を見合わせてみれば確実に病名は明らかになっていた。
「キャプテン…あの子どんな感じだったの?」
「言い難いが、重めの性病だな。あと数日処置が甘かったら確実に死んでただろ」
「性病…」
決して治らない訳では無いが、完治するのに時間がかかってしまう。ロー達は海賊だ。この島に住んでいる女を無断で航海させる訳には行かない。
とりあえず、女の意識が戻るまで体にあった薬と軽く診断書を作っておく。
「あの子どうするのかな」
「一応薬は用意しとくが確実に悪化するな。治したいなら俺たちに着いてきてもらうしかねぇよ」
そうだといいけど…とベポは心配そうに彼女を見つめていた。