第6章 同僚を食べたい《サボ》
サボの部屋の前で立ち止まり、とりあえず軽く深呼吸をする。
《俺の部屋にお前のドレス用意してるからそれ渡したら部屋に来い》
なんて言っていたがサボのことだ。どうせ変な服を用意してるに決まっている。
なんて思っていたが、いざ入ってみるとリンは思わず「わぁ…」と口に出してしまう。
目の前にあるドレスはキラキラと青く光っていて、まるで海をイメージしているようだ。大人の女性をテーマに作られたようなドレスである。
「どうだ俺センスあるだろ」
『…こればかりはセンスしかありませんね』
「そこまで言われると照れるな」
とりあえず着てみろ。と言いサボは部屋を出て言った。
ドレスをあまり着たことないリンはどうすれば良いのか分からず外で待っているサボを呼んでいた。
「着方が分からない?」
『…あまりこういうの来たことないんで』
「仕方ない。俺が手伝うから」
「え?」と言えば、サボの手は既にドレスを持っていて
早く脱げと言わんばかりの目線を向けてきた。