第6章 同僚を食べたい《サボ》
「そうだ、今から飯でも行くか?」
ピラピラと2枚のチケットをリンに見せる。
目を凝らして見ると《ライトアップ ディナー》と書かれており
夜に停滞する予定の島にある とても高そうなレストランのチケットであった。
『あ、私今からドラゴンさんに この前の島の報告書渡しにいかないといけないので行けないです』
「報告書渡すだけなら行けるだろ」
『…』
「はい決まり。早くそれ渡してこい」
リンは、嫌な顔をするもののサボは気にも止めてないのかドラゴンに報告書を渡すことを急かす。
リンはサボが持っているチケットを遠目からもう一度見た。
《ライトアップ ディナー》と書かれている他に《カップル席》と書かれている。
思わず大きな溜め息をつけば、サボはリンの頬を掴み口を開く。
「…あ、俺の部屋にお前のドレス用意してるからそれ渡したら部屋に来い」
『…はい?』
「俺も久々にちゃんとしたスーツ着るからな。化粧もしとけよ」
『いやいやいや、ドレス用意したって…私のサイズとか…』
「…まぁずっと一緒にいればわかるだろ」
『…自分の手配書を貼るだけかと思ってたんですけど、他にも私の家具とか服とか漁ってたんですね。訴えたら私勝てますよこれ』
「ははっ、面白いなぁリンは」
『笑い事じゃありません』