第3章 death デス
「…そんな…!」
驚きを隠せず口を抑えた雛森
そこには今も尚血を流す阿散井恋次と自責の念に駆られる吉良イヅル、雛森と行動を共にするようにと言われた霉李がいた
そこに現れたのは阿散井の所属する六番隊隊長朽木白哉
朽木白哉は阿散井を牢に入れろと命じ去って行く
「おーこわ!」
「市丸隊長!」
気づけば後ろにいた三番隊隊長である市丸ギンは四番隊に声をかけてくると、自身の副隊長である吉良イヅルを連れて出ていった
「…」
『…』
「おわー!こりゃ派手にやられやがったな阿散井のヤロー!」
「ふわあっ!?ひ…日番谷くん!!」
『…日番谷さん』
「お前ら…日番谷"隊長"だ」
『松本さんがいませんね。何故こちらに?』
霉李は日番谷の台詞を無視し疑問をぶつけた
「……忠告に来たんだよ」
『忠告…?』
「ああ」
霉李は聞き返す
「三番隊には気をつけな」
「え…?三番隊…?吉良くんのこと…?なんで?」
当惑する雛森と相変わらず表情を変えない霉李
「俺が言ってんのは市丸だ」
特に───
─
『なんだ、先客、いたの』
「霉李…。ああ、ちょうど寝たところだよ」
『そう』
「ふふ、拗ねてるのかい?」
『…さあ、わからない』
月が一番高い所から2人を見下ろす
「霉李、君はここに残ってくれるかい。」
霉李の頬に手を寄せる藍染
『分かった。』
その手に擦り寄り心地良さそうに目を瞑り応えた
「…理由は聞かないんだね?」
『惣右介の為なら何だってする。理由とか、そういうのはいらない。』
紫水晶の瞳は揺らぐことなく真っ直ぐに藍染を射る
そんな瞳に藍染は眩しそうに目を細めた
「…良い子だ」
頬に当てられていた手はそっと滑り落ち顎に添う
重なる影を照らしたのも高くに身を置く月だった