第3章 death デス
朝、馴染みのある声の主の絶叫を聞きつけた
『雛森さん…?』
そこには藍染隊長、と連呼し涙を流す雛森と驚きの表情を浮かべた他隊の副隊長たち
その視線の先には藍染惣右介がいた
正確には刀で刺し抜かれ壁に張り付けられていた
「何や、朝っぱらから騒々しいことやなァ」
───
"三番隊には気をつけな"
"特に───…"
───
"藍染の奴が一人で出歩く時にはな。"
「お前か!!!」
日番谷の忠告を思い出し市丸に斬り掛かる雛森
しかし、それは吉良に阻まれ市丸に届くことは無かった
始解し、再び斬り掛かる雛森に吉良が始解をした所で日番谷が止めに入り雛森と吉良は拘置を言い渡されその場は収まった
「堂、雛森を頼めるか」
"ちゃんと言うことを聞くんだよ"
『…わかりました』
─
「どこに、行っていた」
『…厠くらい好きに行かせてください』
「…そうか」
霉李は冷気に包まれた
雛森が脱走した
見張りを頼まれたのに、それを満足に出来なかった
悪いのは自分だ
『申し訳ありません。どのような処罰も仰せつかりましょう』
「いや、いい。悪かったな。どちらにしても副隊長である雛森の鬼道をお前が食らわねえ訳は無ぇ。」
『…』
「堂、松本、先に帰ってろ」
『…どうされますか』
瞬歩により颯爽といなくなった日番谷を見て口を開いた
「どうもこうも、帰れって言われたんだから大人しく帰るわよ」
『そうですか』
「なによ、アンタはここに立ち尽くすの…っ」
振り返った霉李の瞳にハイライトはない
暗く濁った紫水晶に松本は思わず息を飲んだ
『…いえ、私は──』