第3章 EPISODE1 深紅の暴君
購買部を後にした3人はメインストリートを歩いている
「…そっちの缶詰の袋重かったよな、僕が持つ 重たいものを持つコツがあるんだ」
「ありがとう そんなコツあるんだ?」
「あぁウチは男手が僕だけだったからそういう力仕事は僕が全部…っと悪い僕ばかり喋ってた」
「ううん ちゃんと家の手伝いしてて偉いね」
「いや…全然そんなことない…俺は、母さんを…」
「(デュースって一人称が僕と俺2つあるよね…)」
「っ!いって」
話の途中で他の生徒がデュースにぶつかり持っていた卵が入った袋が落ち割れてしまった
ぶつかってきた生徒はよく見ると食堂でぶつかってしまった生徒たちだった
今度はこちらがぶつかられたのに謝りもせずまたいちゃもんを付けてきている
最初は冷静に話していたデュースだが徐々に語気が強くなっている
それでも引き下がらない生徒たちについにデュースが声を荒らげた
「この卵はなァヒヨコになれない代わりに美味しいタルトになる予定だったんだぞ!!」
「でゅ、デュース?」
「卵6個分弁償しねぇーつうなら6発テメーらをぶっ飛ばす!歯食いしばれやゴラァ!」
ヤンキー漫画でしか聞かないようなセリフと共に生徒たちに殴り掛かるデュースを唖然と見ている事しか出来ない
全く相手に攻撃されることなくボコボコにして行くデュース
堪らず生徒たちは謝罪の言葉を叫びながら逃げていった
「や、やっちまった…今度こそ絶対優等生になろうと思ってたのに…!」
「えぇ?」
冷静になったデュースが項垂れると流石のグリムも困惑した声を上げた
なんでも中学生の頃は結構な不良でお母さんに沢山心配や迷惑をかけたから高校生になった今優等生になることを決意したらしい
「でもよぉー全部我慢するのが優等生なのか?」
「え?」
「俺様だってさっきの不良共にはあと10発くらいパンチしてやりたかったんだゾ!その前にお前がやっつけちゃったけど」
「まぁグリムは極端だけどやり過ぎなければいいと思うよ」
「お前たち…そっか…へへ ひよこも安らかに成仏してくれるよな」
「…あのねデュース…実はあの卵からひよこは生まれないんだよ」
「え、えええぇええぇええ!?嘘だろ!?」
メインストリートにデュースの叫びがこだました