第1章 じぶんかって
あいつから連絡が返って来たのは5時間後の8時過ぎだった。
「でんわかけてくれたの、きづかなかった」
「いまもし大丈夫ならかけなおしていい?」
気付かった?そんなはずはねェ。ワンコールで切られたんだ。
既読をつけるとスマホの画面に表示されるなまえからの着信画面。
「爆豪くん!!!」
「相変わらずうるせェな」
「でんわ、かけてくれた!!はじめて!!」
「テメェにしては珍しいこと送ってきたから気になっただけだわ!」
「そんで、なにがあったんだよ」
「ちょっとだけね、しんどかったの」
「なんでワンコールで切った」
「…えっ?」
「誰かといたんか」
イヤな予感がした。
「あ〜、、うーん。うん、えっと、、」
なんでハッキリ言わねェんだ。こいつのヒーローは俺だろ。こいつが辛い時に他の奴に助けを求めてたなんて、クソむしゃくしゃする。
「…えーっとね、焦凍といたんだ」
…は?半分野郎と??意味がわからねェ
しかも"焦凍"??随分親しげに呼ぶじゃねェか。いつからそんなに仲良ししてんだよ。
「どういうことだ、なんでテメェが半分野郎なんかと、」
「…なんで爆豪くんがそんなこときになるの?」
「テメェは俺のもんだろ」
「…え、え、?!?!まってどういうこ「今どこにいんだよ」
「あ、えっと、おうち、です、、。」
「今すぐ行くから待っとけ」
「え、あ、え??部屋ぜんぜん片付けてないちょっとまっ」
何か言わせる前に電話を切った。
クソイラつく。この際自分の気持ちを認めてやってもいい。散々調子狂わせといて、今更俺以外の男に掻っ攫われるのだけは許さねェ。