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【呪術廻戦】こんなにも君が好き

第7章 寂しさ




「…え?」


「好きな人が出来たのは私じゃなくて悟の方でしょ!!だってさっき甘い香水の香りがしてた!タバコの匂いだってしてた!!」



あんな甘い香り私はきっと付けられない。女性らしくてきっとお洒落な女の人なのだろう。タバコも吸うなら大人っぽくて私なんて足元にも及ばないほど美人で余裕のある人なのかもしれない。




「それに私が帰って来たのを見て凄く驚いてた!!さっきまでその人と会ってたから?私にバレるかもって驚いた!?」



「え、ちょ…待って、ヒナ」



「好きな人が出来たならハッキリ言えば良いじゃん!!幼なじみの私達が婚約するからこそ気兼ねなくいられるって言ったのは悟の方でしょ!黙ってコソコソされる方がよっぽど嫌だよ!」



自分にしては珍しく興奮気味で強い口調で言えば、溢れ出しそうになる涙を堪えながら悟を見上げた。だけどそこには予想外な表情をした悟がいて…驚いていると言うよりはまるで何を言われているのか理解していないという表情だ。



頭の良い悟が私の話を分からないはずが無い。だって説明下手な私の話を、いつも聞き終わるよりも先にきちんとその先を理解してしまうような人間だ。そんな人がさっきまでの出来事を忘れるはずが無いのだから。



「……それなのに、どうして…どうしてあんなキスするの…好きな人がいるんでしょ…」



まるでさっきまでの強気だった口調が嘘みたいに、今度は小さい声しか出なくて…情けない自分が嫌になる。



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