第6章 僕の可愛い人
「そういえば近頃は、30までに童貞を卒業しないと妖精になるらしいぞ。あぁ、清いお身体だっけか」
その硝子の言葉に僕がさらに爆笑したのは言うまでもない。
「うっそ、マジで?じゃあ僕最強の童貞になるってこと?それめっちゃヤバくない?てゆーか最強の童貞って響きがもう死ぬほど笑える!クソウケるッ」
バシバシとテーブルを叩きながら爆笑する僕は相当目立っていたのか、傑が「悟!声が大きい」と眉間にシワを寄せて怒り出す。
「呪術師最強の童貞ってことにはなるな」
「ひッ…ちょっ!…硝子ッこれ以上笑わせんなっ!」
うっすらと涙を溜めながらゲラゲラと笑う僕に、もう傑は諦めたのか大きな溜息を吐き出して頭を抱えた。
「そういえば聞いてよ!この前街で歩いてたら、お兄さんもし暇なら私と一緒に今夜過ごさない?絶対に満足させてあげる自信あるよとか言われてさ、僕ってヤリチンに見えるってこと?そんなこといきなり言われるほど軽そうに見える?」
「あぁ、見えるな」
「まぁ、どちらかと言えば見えるね」
「はぁ?酷くない!?だから僕その女に言ってやったんだよ。僕君じゃ勃たないから、オナホにもならないよって。そしたらその女真っ赤になって泣き出してさ、僕のこと満足させる自信あるってどんだけ自己評価高いんだよ?って話しだし、てめぇなんかで満足するわけねーだろって、それどころか視界に入れるのすらキツイわって言ったらさらに泣いたよね」
「クソだな」
「あぁ、間違いなくクソだ」
「そもそも僕レベルになると逆ナンが絶えないわけ。どうしたら良いと思う?ヒナ以外の女に話しかけて欲しくないんだよね」
「知るかよ、クソダサい格好でもして歩けば良いんじゃない?」
「まぁ悟の場合顔だけは良いからね、性格はクソだけど」
「傑にクソって言われたくないんだけど」
「あぁそれは私も同感だ、お前達は二人ともクソだ」