第27章 こんなにも君が好き
「五条先生!椿先生!めっちゃ豪華な料理も準備してあるんだ!皆んな食べに行こう!」
悠二君の言葉にそちらへと振り返れば、私達の周りで楽しそうに話していた人達もわらわらとそちらの方面へと向かって行く。
私も皆んなについて行こうと思い一歩踏み出した時だった。
グイッと軽い力で腕を引かれ、一瞬にして背後へと振り向かせられる。
そしてその瞬間
「……っ…」
温かなモノが唇を包み込み、優しく穏やかな熱を移すとそのままチュッと可愛らしい音を立ててそれは離れた。
「…ッ悟、誰かに見られたらどうするの!
突然の口付けに顔を真っ赤にしながら周りをキョロキョロと見渡すが、皆んな悠二君達について行っているからか、こちらを見ている人は誰一人としていない。
「大丈夫、誰も見てないさ」
「そういう問題じゃない!」
誰よりも目が良い悟が誰かに見られるなどそんなミスを犯すとは思えないが、わざと見せつける可能性ならある。
そんな彼に真っ赤になった顔つきで軽く睨みつければ、悟はゆるりと口角を上げて笑みを作った。
「まったく、愛おしいったらないね」