第27章 こんなにも君が好き
だけどいつだって、そんな私を支えてくれていたのは本当は悟の方だったんだ。
きちんとそれに気が付いたのは彼を好きになってからだった。だけど悟は、そんな私をずっと支えてくれていたんだ。
幼馴染から婚約者へ、婚約者から想い合う夫婦へ。
彼に出会った頃は、こんな事少しも想像していなかった。
私のことがずっと好きだったと言ってくれた悟。
そんなこと少しも気が付かなくて、何にも分かっていなかった。
だけど今なら分かる。彼がいつ、どんな時も…私を優しく穏やかに見つめてくれていたこと。温かで甘く私を包んでくれていたこと。
そばに居てくれた。それは、掬い上げるような優しさで。そして時には、普段は見せないような大きな声で怒り厳しくも私を心から理解しようとしてくれた。
婚約者になってからは悟に終始ドキドキしっぱなしで、彼を好きになってからは甘くとろけるほどの愛を目一杯注いでくれた。
愛しくて、愛しくて、たまらなくて。
好きで、好きで、大好きで。
気が付けば、悟は私にとって何よりも特別で大切な存在になっていた。