第27章 こんなにも君が好き
「悟、ヒナ、結婚おめでとう。まさかお前達が結婚するとは思って無かった。だが、お前達二人なら大丈夫だろう。お互いを支え合い大切にし合っているお前らならな」
「夜蛾学長…」
どこか照れ臭そうに話す夜蛾学長に思わず胸がギュッとする。いつだって私達の味方でいてくれた夜蛾先生。先生に様々な事を学びそして教えてもらった。
きっと今私達がこうしていられるのも元を辿れば全て夜蛾先生のおかげなのかもしれない。ヤンチャで手のつけられない問題児だったに違いない悟と傑を始め、私達は先生にお世話になった数を数えたらキリがない。
怒られて、怒鳴られて、ゲンコツが落ちてきた事もあったけど、私達が楽しい学生時代を送れたのは間違いなく夜蛾先生がいたからだ。
「お前達は、いつまで経っても俺の自慢の教え子だ」
サングラス越しの瞳を細め、いつもよりも優しく穏やかな声を出した夜蛾学長は、私と悟の背中をトンっと優しく叩き、私達はそんな夜蛾学長に向けてニッコリと笑みを見せた。
あなたが私達の担任で心から良かったと。