第27章 こんなにも君が好き
「まぁまぁ歌姫先生落ち着けよ、悟はいつだって空気の読めない性格だろ?」
ニヤリと口角を上げながら笑っている二年生達が、今度は私と悟を楽しそうに囲む。
「しゃけしゃけ」
「そうそう、悟にデリカシーを期待しても無駄だ。なんせ平気で女子生徒のスカート履いちゃうような奴だから」
「あぁ、野薔薇のスカート履いてたな。棘は私の履いてたけど」
「すじこっ」
「あ〜そんな事もあったねー!ほら僕って心もまだまだ若いからさ、時々悪ノリしたくなるんだよねぇ」
「だからって野薔薇ちゃんのスカート履くのはどうかと思うんですけど」
二年生3人の言葉に隣の悟を軽く呆れたような表情で見つめれば、悟はケラケラとまるで悪びれた様子なく笑っている。
生徒達と楽しそうにしているのはいいが、確かあの時はキレた野薔薇ちゃんに悟と棘君は思い切りゲンコツをお見舞いされてたっけ。
「でもついに悟が結婚か。まぁせいぜいヒナに捨てられないように気を付けろよ」
「すじこ!明太子!!」
「いやいや捨てられないから、生徒達に心配されるって僕どんだけ評価低いの?」
「まぁそうだな、少なくとも二人が喧嘩したとしたらまず原因は悟だろうな」
「ふふっさすがパンダ君、よく分かってるね!」
「ちょっとヒナちゃんまで酷くない?」
※悟が野薔薇のスカートを履いたのはアニメネタです。