第27章 こんなにも君が好き
「……え」
大きく目を見開いた。それは隣の悟も同じだったのか、珍しく気の抜けたようなポカーンとした表情をしている。
辺り一面に広がる見たこともないほど沢山の花々。色とりどりの花に囲まれた中庭は、いつもの姿を消しまるで違う場所のようだ。
空には金粉のようなキラキラとした綺麗な光が宙を舞っていて。何かの術だろうか…それとも特別な呪具を使っているのか…
すごくすごく幻想的だ。
そして何よりも…
私達に向けられた見慣れた面々の沢山の笑顔と拍手に、目を見開かずにはいられなかった。
「…何これ、どういう状況」
小さく呟く悟と、その隣で私も「うん、本当に…」と目の前を見つめながら言葉を呟く。
見覚えのある窓の人達、仲良しの補助監督さん達、先ほどまで私達と一緒にいた夜蛾学長。
そして伊地知君や七海君。傑と硝子。その隣には二年生の皆んな。京都校の歌姫先輩までいる…
そんな状況に、私と悟はやはり着いていけず唖然とした表情でこの光景を見つめていると「先生達!おかえり!」と元気な声が聞こえて来て、悠二君 野薔薇ちゃん 恵君が私達の前へと駆け寄って来た。