第27章 こんなにも君が好き
「五条先生、椿先生、今日は先生達のお祝いをしたくて皆んなで集まったんだ!」
その悠二君の言葉に私達は顔を見合わせる。
「結局俺達も任務で先生達の結婚式行けなかったし、それに先生達言ってたっしょ?儀式とか伝統とかばかりの面白みのない式だって。そんで思ったんだよね、五条先生希望の海が見える綺麗なチャペルじゃなくて申し訳ないけど、花と先生達の事が大好きな人達に囲まれた式はどうよ?って!!」
その彼の言葉に大きく目を見開いた。まさか、まさかそんな事を考えてくれていたなんて思わなかったからだ。
確かに生徒達に結婚式の話をした時、呪術界上層部ばかりが集まる面白くも何ともない式だという事を彼らに話した。仲の良い人達すら満足に呼べないのだと。だけどそれも仕方ない事だと分かっていたから。私達の生まれと立場を考えたらそれも当然なのだと。
だからまさか…
そんな私達のことを思ってこれらを用意してくれたのかと思うと、思わず鼻の奥がツンっとしてくる。
「僕達の生徒、良い子すぎるでしょ」
そう呟きながらサングラス越しに細く瞳の形を変えた悟に同意するようにして「うん、本当に。良い子達だ」と呟けば目の前の3人が「へへっ」と何処か照れたような顔を見せた。