第26章 ナメすぎでしょ
この男達の処理はどうしようかと頭の片隅で考えながら、彼女を引き寄せると周りの景色が一瞬で変わる。水上コテージへと戻って来たのだ。
五条はヒナを室内のソファーへと座らせると、するりと頬を撫でて眉を垂れ下げ彼女を見つめた。
「ヒナ」
「うん?」
「君は僕の妻になった。いくら僕が注意していても、これからもこういう事が起きないとは言い切れない」
「うん」
「今後も君を巻き込むかもしれない。それに僕も、いつもこうして直ぐに駆けつけれるわけじゃない。いくら君が強くたって、いつか君以上に強い奴が危害を加えてくるかもしれない」
きっと彼女以外、最強であるこの男のこんな不安気な表情を見ることのできる人物などいないだろう。
五条悟が不安な気持ちになるなど、彼女の事以外であり得ないからだ。
「それでも僕のそばにいて欲しいなんて…本当に情け無いよね。だけど、僕のそばにいて欲しいんだ」