第26章 ナメすぎでしょ
「僕ってさ、性格悪いんだよね。昔馴染みの友人ですら揃ってドン引きするくらい」
五条に詰め寄られた呪詛師は冷や汗を垂らしながら呪具を握りしめた。
「僕は大切なものを守る為ならば、何だって出来てしまう人間なんだよ」
「………っ…」
「ほーんと君達って馬鹿だよね。ねぇ知ってる?僕がこの世で一番大切なモノ」
逃げる事も許されない。ましてや視線を逸らすこそすら許されない。
「五条家でも、このアホみたいに性能が良い六眼でもない。あ、世界平和でもないよ?僕は正義の味方でもヒーローでもないからね。こんな大層な能力を持って生まれてたとしても、それを全て世界平和の為になんて使っちゃいないんだよ」
それは五条からしたら当然の事だった。何故ならば、地位や名誉…そして金があろうと、ソレら全てを捨ててでも大切に願う存在がいるからだ
目の前の男は身体をガタガタと震わせ、そして冷や汗を垂らす。とてもじゃないが正気を保っている事など出来なかった。