第26章 ナメすぎでしょ
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「また随分と手間の掛かる帳を使っているね。まぁ僕からしたら、そんなの関係ないんだけど」
サングラスを外した五条は、地上はるか上空から真下を見下ろし呟いた。
「僕の奥さんに手を出すなんて、よほど度胸があるらしい」
その声は低く恐ろしいほどに冷え切っていて、そして上がっていく帳を冷徹に見下ろした。
地上へと降りたてば、五条へと気が付いた数人が戦闘体制へと入りそして攻撃を仕掛けてくる。
しかしながら、五条の碧く綺麗な瞳は恐ろしいほどに瞳孔が開かれそして彼らを見つめた瞬間、呪具を振り回した男達の動きが一瞬にしてピタリと止まった。
そのままドガンッ‼︎という音と共に男達は八方へと飛んでいく。
「目的は一体何かなぁ?まぁどうせ、僕の大切な妻を攫って僕をどうにかしようって魂胆だったんだろうけど」
「……うっ…」
目の前に倒れ込む男を足蹴にすると、ニヤリと微笑みそして口角を上げた。
ここにいた全員が、こんなにも恐ろしい笑顔など一度だって見たことがないと感じた事だろう。