第25章 初めての夜
「……んんっ…んッ」
口元を塞がれているせいで喋ることが出来ない。それでも打ち付けられる腰使いに自身の下肢もゆらゆらと動きを成していて…その恥ずかしさからか顔が真っ赤に染まっていくのが分かる。
「気持ち良いね。いつもより凄く濡れてるけど、こんな場所で入れられて興奮しちゃったかなぁ?」
「ん…んン…ッ」
「なぁに?なんて言ってるか分からないなぁ。ふふ…ッ…目に涙溜めちゃって可愛いねぇ」
意地悪にもほどがある。こんな風に私を追い詰めている張本人のくせにまるで他人事のように笑みを作る悟を恨めし気に睨みつければ、悟は先ほどまで怒りを含んだ瞳を今度は心底意地の悪いモノへと変えた。
遠くの方から足音が聞こえてくる。呪術師であるからこそ人の気配に敏感で気がつく事ができたものの、まだ距離はありそうだがどう考えてもこのままではシャレにならない。
「さと…っ」
悟の手が離れた瞬間彼の名前を呼ぼうと息を吸い込めば、その唇を再び深く奪われた。
くちゅくちゅと水音が立ち込め脳がゆらゆらと揺れる。私が気づいていて悟が人の気配に気が付かないなどあるはずがないのに…