第25章 初めての夜
そんな私の言葉に、スマホを眺めていた二人の視線がパッとこちらへと向く。
「お店まで案内しましょうか?」
そういえば学生時代にもこんなシチュエーションがあって、その時は後からやってきた悟に「知らない奴に無闇に話しかけるな!危ねぇだろ!」と言われたのを思い出す。
まぁだけどもう大人だし、一級術師である自分が一般人相手に危ないも何もないだろうと思いながらニッコリと微笑めば、男性二人は一瞬驚いたような表情を見せたあと「良いんですか?」と声を出した。
「はい、すぐそこなんですけど道が少し入り組んでるし一緒に行きましょう」
「ありがとうございます!困ってたのでありがたいです」
同い年くらいだろうか。それとも少し年上かな?まぁどっちにしても海外で迷子になっている同国の人をほっとくなんて出来なくて、3人で並びながら歩き始める。
大した距離ではないものの、どこ出身なのかだとか何泊しているのかだとかそんな話でそこそこ盛り上がりお店に着く頃にはすっかり仲良くなっていて、悟を待つ間暇をしていたから良い時間潰しになったなと思いその場を後にしようとしていると。
「あ、あの!良かったらこのまま俺達と一緒に遊びませんか?」
私の隣にいた方の男性がそう声を出し少しばかり頬を染める。