第25章 初めての夜
まるで海の上に立っているような感覚。
綺麗で美しくて、そして何の汚れも知らない。
そんな場所。
「素敵だね」
そう思わず口から零れ落ちた言葉に、悟は私の肩をグイッと引き寄せると私を見下ろしゆるりと目尻を下げる。
「気に入った?」
「うん、とっても。すっごい気に入ったよ」
嬉しそうに顔を緩める悟は、サングラス越しの瞳を細めさらに私の身体を引き寄せると、首を小さく傾けてそしてちゅっと小さなキスを落とした。
「喜んでもらえて何よりだよ。今日から一週間死ぬほどイチャイチャしようね」
「死ぬほどイチャイチャ!?なんだかそれはまた…凄そうだね」
「片時も離れないし、僕以外の事は考えちゃダメだよ?」
「えぇ、そんな無茶な!」
「無茶じゃないよ。だって僕はいつだってヒナ以外の事なんて頭の中にほとんど無いし〜」
「嘘だぁ、それはさすがに言い過ぎでしょー」
「ヒナはやっぱりまだまだ僕の愛の深さを分かってないね〜、ま、見せられるほど綺麗なもんでもないんだけど」
「どういうこと?」
「いーや、こっちの話し」