第25章 初めての夜
ファーストクラスって一体いくらなんだ…値段を聞くのも怖いほど豪華だ。普通ならば飛行機に乗る前にこれまた豪華なラウンジを使用できるらしいが、私達は寝坊したからもちろんスルーした。
あぁ勿体なかったな。などと呟けば「ん?じゃあ今度また来れば良いじゃない」と悟はサラリと言っていたが、そんな事をしたら今度こそ伊地知君の胃に穴が開く事は間違いないだろう。
だって、今回の新婚旅行の休暇を取るだけでかなり彼に苦労をかけた。もちろん私達の代わりに任務についてくれる人達にもだ。傑と七海君は特に負担してくれると聞いた。
3人にありがとうとごめんねを伝えれば、伊地知君には「いえいえ五条さんの無茶振りには慣れているので」と言っていたし。傑と七海君には「引き受けない方が後で面倒くさそうだったから」と言われた。うん、確かに。それは言えてるのかもしれない。
きっと新婚旅行に行けなければ、悟は永遠にグズって暴れていたに違いない。何となく想像が付く。
3人には申し訳ない気持ちでいっぱいだが、楽しみだというのもあって、とにかく深々と頭を下げて感謝した。
新婚旅行から帰ってきたら、悟を連れてもう一度お礼をしに行こう。