第25章 初めての夜
肘をつき軽く上半身を起こしていた私の腕を、悟はグイッと引っ張るとそのまま再び布団へと引き摺り込む。
「わぁっ」
「もう少し寝てようよぉ」
あぁ、幸せだ。
私達結婚したんだ。
寝ぼけ眼で私を見つめてくる彼が可愛くて。すりすりとこちらの胸元へと擦り寄って来る彼が可愛くて。ぎゅっと抱きしめてしまいたくなる気持ちを堪えて口を開く。
「ダメだよ、これから新婚旅行行くんでしょ?」
「ん〜そうだぁー、新婚旅行行きたい。でもこのままイチャイチャもしたい…」
そんな事を言って私の背中へとスルリと器用に手を差し込んでくる悟の腕をガシッと掴めば「良いじゃん少しくらい。もう一回エッチしてから行こうよ」と信じられないほど甘ったるい声が耳元に落ちた。
「だーめ!!」
昨日あれだけヤッたのにまだ足りないというのだろうか。私なんてまだ腰に力が入らないというのに…さすが悟はこっちの方面も最強なのかなどと思いながら彼を振り切り布団から身体を起こそうとするが、がっしりと掴まれた身体はそう簡単に言う事を聞いてはくれない。