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【呪術廻戦】こんなにも君が好き

第5章 今夜から




「何かこの映画、少し僕達と似てるね」



そんな静かな声が薄暗い空間に響く。目の前ではいまだに絡み合っている主人公とヒロイン。そして右側に大きく見える夜景がキラキラと輝いていた。




「え…あ、そう…だね」




悟の突然の言葉にやたらと動揺した私は、そんな情けない言葉しか口から出てこなくて…いや、これじゃあ意識してますって言ってるようなものじゃないか!と言った後に気が付き横目で悟を見れば、彼もそんな私を見ていたのかパッチリと視線が絡まり合う。



思わずピクリと肩を揺らした私に、悟は楽しそうな表情を向けると。




「ねぇ、抱きしめても良い?」



「………え?」



「ヒナのこと抱きしめながら、映画観たいな」




悟のその言葉に、気まずさを抱えていた私は初めは何を言われているのかちっとも理解出来なくて、でもしばらくして脳が活動を始めたのか心臓がドクドクと音を鳴らし始める。




「えっと…え、」そんな感じで言葉を切らす私に「ほら、来て」と悟が私へ手を伸ばせば、まるでひょいっと音が出そうなほど軽々と私を引き寄せ自分の足の間に座らせると後ろから優しく抱きしめた。




「人のラブシーン観てたら感化されちゃったな」なんて言葉が甘く私の耳元に落ちてくる。




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