第25章 初めての夜
白くサテン生地のミニ丈のワンピースは、胸を強調させられるようにして大きく開いている。
真っ直ぐとこちらを見つめてくる悟の碧い瞳が何だか恥ずかしくて、頬を赤く染め上げれば彼は嬉しそうに瞳を細めた。
「家の奴ら、僕の趣味良く分かってるなぁ」
「…やめて、恥ずかしぃ」
「似合ってるよ。可愛くて、大人っぽくて、凄く良いね」
何故こんなにも心臓がうるさく鳴るのか。彼とこうしてくっ付くのも、夜の営みだって初めてなわけじゃない。それどころか何度も経験しているはずなのに…
それなのに、やはり自分の中で婚姻後初めての夜だと言う事がとても特別に感じているのだろうか。
「最高の初夜にしようね」
そう甘く耳元で囁かれ、ふわりとしたベッドへと沈んでいく自分の身体を少しだけ緊張で震わせた。
五条の本家にある悟の部屋。つまり当主の部屋だ。何度か来た事があるが、今日はその景色すらいつもと違っている。
枕元に置かれた雰囲気のある桜の花びらが施されたロウの火がゆらゆらと私達を映し出し、何処からか流れてくる甘い香が鼻をかすめる。