第2章 幼なじみ
「ねぇそれって、もしかして僕のこと?」
背後からそんな聞き慣れた声が聞こえてきて、そちらへとゆっくりと振り向けばそこにいたのは数日ぶりに会う人物。
白の透き通った髪に、目元には黒い目隠し。
上下細身の黒い服を着たその人物は、普通ならばどっからどうみても怪しく見える。
そんな彼は特級術師であり五条家当主。
そして私の幼なじみの
五条悟だ。
「悟…今の聞いてたのかい…?」
「ん?もしそうだって言ったら?」
隣に座っていた傑が苦笑いをしながら私の頭から手を離すと、悟はそんな私と傑の間に割り込むようにして座った。
「悟〜狭いよー」
もう一度カシスウーロンに口を付けながら文句を言う私に、悟はゆるりと口角を上げて小さく笑う。
「今日はまた随分と酔っ払ってるねぇ。ちょっとペース早いんじゃない?」
「今日は良いの!そういう日なので!てゆうか悟も聞いてよぉ、今ちょうど傑に話聞いてもらうところだったんだけどさぁ…」
ほんのり火照りだした頬が赤く染まったころ、酔って少しだけ軽くなったろれつを気にする事もなく話し始める。