第2章 幼なじみ
「ちょっとヒナ飲み過ぎじゃないかい?落ち着きなよ」
普段あまりお酒に強くない私だが、今日ばかりは飲まないとやっていられない。
カシスウーロンの入ったグラスを持って、ゴクゴクと喉を鳴らしながら勢いよくお酒を流し込む。
「傑止めないで〜今日は飲むって決めてるの!飲まないとやってられないんだからぁ」
「いや君が酔っ払うと面倒な奴がいるんだよ、下手したらこっちにとばっちりが…硝子も見てないで止めてくれ」
「カシスウーロンで酔われてもねえ、日本酒くらい飲んだ方が良いんじゃないか?」
「日本酒飲む!硝子それちょうだい!!」
「おい硝子、君が煽ってどうするんだ」
硝子から日本酒の入ったおちょこをもらいそれを口へ運ぼうとすると、傑が止めるようにして手を伸ばしてくる。
「そもそも何があったんだい、君がそこまで酒飲むのは珍しいだろう?」
傑は私から奪い取った日本酒を、顔色一つ変えることなくゴクリと一気に飲み干した。
「うぅ…聞いてくれる?」
「もちろんだよ、言ってごらん?ちゃんと聞いてあげるから」
ぽんぽんっと私の頭を撫でた傑は、目を細め優しくニコリと微笑んだ。
「傑って本当優しぃ、私…傑みたいな人と結婚したかった…」
「んんっ!ちょっと、そういうことアイツの前では言わないでくれよ」
「…アイツ?」
何故かむせかえる傑に、何を言ってるの?と言いたげに見上げれは、傑は呆れたようにため息を吐き出した。