第24章 結び
いつも無邪気に笑う彼の笑顔が大好きだ。
ニコニコとしていて、誰にも捉われないその姿も。
時折スッと見せる冷静沈着な表情も。
見える笑顔とは裏腹に、酷く冷たい所があることですら。
彼のそんな全部を含めて大好きだ。
「あ、傑と硝子だ」
その碧が見つめる視線の先を辿れば、こちらへと手を振り歩いてくる2人の姿。そんな2人へぱぁっと顔を綻ばせて笑顔を作れば、悟が耳元で「まるで花が咲いたみたいに可愛い笑顔だね」などと言ってくる。
彼の言葉に顔を真っ赤にさせアワアワしていると、こちらへと近づいて来た傑が「おいおい、私達来てるのに堂々とイチャついてるのかい?」と苦笑い気味に呟いた。
「何だよ傑、羨ましいんだろ?」
悟がニヤリと口角を上げて碧色の瞳を細め少しばかりイタズラ気な顔を作る。
「まぁ、羨ましくないって言ったら嘘になるね」
「あら、珍しく傑君が素直!」
何故かオネェ言葉で驚いたように目を見開く悟。