第24章 結び
パチパチと数多くの拍手が辺り一面に響き渡る。
人々はこちらを見て「ほぅ」と見入るような息を漏らした後、寄り添い合いゆっくりと歩みを進める私と悟を真剣な眼差しで見つめた。
呪術界の上層部、御三家のお偉いさん方、見覚えのある顔ぶれから知らない人までたくさんの人達で溢れ、そしてその視線は私達2人を見つめている。
それは喜ばしいと言わんばかりの笑顔を向ける人達から、五条家当主であり六眼と無下限術師を持つ悟と、呪術界の良家の娘である私が結婚することにより権力が傾くのでは無いかとよく思っていない人達など様々だ。
これは、必ずしも回りに祝福されるだけの結婚ではない。
それでも、彼が隣にいてくれるのならば…何の不安も抱えず目の前だけを見る事が出来る。
沢山の人達のいる中に、傑と硝子の姿を見つけこちらを見つめてくれるその優し気な笑顔に思わず泣きそうになった。
そんな私に気が付いた悟が私を心底愛おしそうに見つめたあと、傑と硝子を見つめニィっと歯を見せまるで少年のように笑うものだから、それがまた学生時代を思わせ懐かしくもあり嬉しくて泣きたくなった。