第24章 結び
今すぐその滑らかな肌にかぶり付きたい。しかし今夜まで待てば、あとはとっておきのご褒美が待っている。
夜になれば2人だけの時間だ。
彼女をたっぷりと可愛がって甘やかし、そしてトロトロになるまで溶け合うほどに抱き合いたい。
熱と欲望と愛しさが溢れ出しそうになるのを止めながら「この後の予定は」と使用人に聞けば、「爪のケア、髪のケア、デコルテのケア…」などと訳の分からない事を永遠に説明してくるものだから、手のひらで静止し聞くのを諦めた。
少し一緒にいる時間が欲しかったけど、どうやら難しそうだな。
「悟様、ご確認していただきたい事がございます」
そんな事を考えていると、あっという間に襖の向こう側から声がかかって思わず溜息を吐き出す。
「今日は忙しくなりそうだね」
「そうだね、次会うときはもう式の直前かなぁ」
「多分ね、すっごく離れ難いけど僕はそろそろ行くよ。何か不便な事があったらすぐに連絡して。飛んでくるから」
「あははっ、本当心配症だなぁ。行ってらっしゃい」
「またあとでね」
「うん!」