第24章 結び
閉じる間もなく「悟!お疲れ様!」とそんなシンプルな言葉が返ってきて、あぁ、こんなところも好きだなと思う。
彼女の言動何もかもが好きだ。
見た目や性格はもちろんだが。彼女が取る行動一つ一つが、彼女の言葉一つ一つが…好きだとそう思わせてくれる。
特別な何かがあるわけじゃない。ただ僕の周りに寄ってくるコバエのような女共とは比べものにならないほどに純粋で素直なのだ。
裏を読み、薄汚い権力や金に媚を売らない。気が効くふりをして吐き気がするような甘ったるい香りを漂わせ、体を擦り寄せて来たりなどしない。
裏表なく僕という1人の人間を見てくれる。
五条家当主の五条悟じゃない。
ただの僕自身を。
彼女がしてくれる事は全て心地が良くて、そして全て愛しく感じるから不思議だ。
ただ笑顔を向けてくれるだけで「愛しいな」と思うほどに僕は惚れていて、まるで抜け出せない温かな海の中にいるようで。
流れゆく毎日が、彼女といるならばそれは特別なモノへとかわり、そして心地良く変化する。