第23章 最強の看病
「いや本当ごもっとも!傑の性癖なんて生徒達の前でするものじゃないよね!!」
「悟!だから違うって言ってるだろう!!」
「ねぇ、まだ懲りない?」
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!僕達親友!いつでも仲良し!!」
「そうそう!いつでも仲良し!喧嘩なんてしないさ!!」
にこにこと笑みを見せながら慌てて肩を組む2人を見て「はぁ、この光景も過去に何度見て来たことか」と溜息を吐き出した。
「今後一切、生徒の前でみっともない言い合いはしないように。あと休暇の事は伊地知君に任せてるんだからその件に関しても勝手に喧嘩を初めないように。とくに悟、休むんだとしたら傑に協力してもらう立場なんだからいちいち茶化さない」
私の言葉に目の前の2人はうんうんと何度も頷くと、壁に刺さった短刀を抜く私を横目にホッと溜息を吐き出した。
いくら2人を強制的に止める為とは言っても、ついカッとなって壁を傷つけてしまった。2人の喧嘩が勃発して校舎が半壊するよりは格段にマシだが私が壊してしまったことには違いない。
大きな溜息を吐き出し夜蛾学長の所へ怒られに行かなくてはと、気分が重くなるのを感じた。