第23章 最強の看病
「やめてって言ってるでしょ」
その瞬間私にしてはいつもよりもはるかに低い声が響き渡り、ビュンッと悟と傑の間にを何か鋭い物が通り過ぎた。
悟と傑はそれに大きく目を見開き何かが通り過ぎた方角へと視線を移せば、そこには壁に突き刺さった短刀。
壁にはひどく大きな亀裂と、パラパラと砕け散った破片が落ちて行く。
「…ヒナ…ちゃん…?もしかして…すごく、怒ってる…?」
「私達…ほんの冗談のつもりだったんだ…怒らせちゃった…かな…?」
悟と傑は口元をひくつかせ、ヤバイと言わんばかりに冷や汗をかき始める。
「私、やめてって言ったよね。それに生徒達の前でする話じゃない」
「う、ん…僕達が悪かったよ!本当!完全に僕達が悪かった!な!傑!!」
「うんうん!私達がいけないね!全部私達が悪い!本当にすまなかったヒナ!!」
「昔から何度も何度も同じことの繰り返し、喧嘩するほど仲が良いって言うけど子供の前でするような話しじゃないよね?」