第23章 最強の看病
「それに、結局僕は呪いの影響で君への気持ちを忘れていたはずなのに、いつだって気になるのは君のことばかりだった。気が付けば君を目で追って、気が付けば君のことを考えてたんだ」
「そうだったの…?」
「うん、もうそんなの…呪いですら消す事が出来なかった、ドン引きするくらい重い僕から君への愛でしかないよね」
「ははっ」と楽しそうに笑った悟は、にっこりと笑みを作りながら「愛ほど歪んだ呪いはないよ」と嬉しそうに呟いたのだ。
それはどこまでも深く、そして複雑に絡み合う欲の塊だ。負の感情とは紙一重、呪いを生み出す根源。そう言われても不思議じゃない。
それでも私にとって悟のこの感情は、これ以上にない愛の証だった。
「呪うほどに君が好き」
そう言われたみたいで…
呪術師特有の歪み切った黒い執着にも似たそれは、どんな言葉よりも分かりやすく私の心の奥深くまで届いた。